職業訓練ってどんなもの?訓練の種類と各職種向けのカリキュラム説明

STEP1 職業訓練ってそもそも何?

職業訓練ってどんなもの?

職業訓練とは、簡単に言うと「◯◯な仕事をしてみたい! だけど働いていけるか不安だし、そもそも就職できるのだろうか…」という人が、その分野の仕事に必要な知識や技能を身につけるための場所です。

例えば「web系の仕事に興味があるけどホームページを作ったことはない」という人や、「事務職に就きたいけれど『ワード』とか『エクセル』ってどうやって使うの?」など実務経験がない人でも、職業訓練に行くことで必要な情報や技能を手に入れることができます。

しかも専門学校等とは違い、大半の訓練は無料で受講することができます。

さらに、要件を満たす場合には給付金(職業訓練受講給付金)として毎月10万円と交通費を受け取ることができるというのが大きな魅力です。

1. 公共職業訓練と求職者支援訓練のちがい



公共職業訓練と求職者支援訓練のちがい

職業訓練には大きく分けて『公共職業訓練』と『求職者支援訓練』の2つの種類があります。

1.1. 公共職業訓練

公共職業訓練では電気設備や生産技術など、おもに技術職に就くことを前提としたカリキュラムが多くあります。

1.2. 求職者職業訓練

求職者支援訓練ではパソコンを使った仕事など、おもにオフィス系の仕事に就くことをメインとしたカリキュラムが多く見られます。

この2つの違いについて表にまとめたので、気軽に目を通してみてください。

ちなみに給付金を受けながら職業訓練に通いたいと考えている人は、求職者支援訓練を中心に見てもらえればと思います。

<公共職業訓練><求職者支援訓練>
対象者雇用保険の受給資格者雇用保険の受給資格がない人
訓練実施機関公共職業訓練校、ポリテクセンター、委託された訓練機関など企業、学校、NPO法人など
訓練の種類事務、IT関係以外にも機械・生産・加工技術など広範囲の職種をカバー事務、IT関係、医療事務、介護、理容・美容関連など
訓練にかかる
費用
大半は入学金・授業料は無料。ただしテキスト代が必要な場合がある
(長期間のコースに有料のケースがある)
原則無料。ただしテキスト代が必要な場合が多い
訓練期間2か月・3か月・6か月・1年・2年など。訓練内容により異なる3か月から長くとも6か月までのものが多い
訓練開始時期1日付はじまりが多い15日頃に始まることが多い
失業給付雇用保険の受給資格者が、一定の給付日数がある間に入校した場合に延長給付が適用される場合がある。基本的に失業給付はない
職業訓練
受講給付金
雇用保険の受給資格がない人が公共職業訓練を受講した場合に、一定の要件等に該当すれば給付金を受け取ることができる一定の要件に該当した場合に、月額10万円の職業訓練受講手当と通所手当を受け取ることができる

ハローワークでの説明会を受けて思った個人的な意見ですが、公共職業訓練では一生モノの技術を身につけられるのではないかなと感じました。

もう一方の求職者支援訓練では、事務職に必要なスキルを学ぶので、就職できる場所の選択肢が広がるように思います。

2. ビルメンテナンスを目指すなら公共職業訓練

2.1. 人気急上昇中のビルメンテナンス

2.1.1. 仕事内容

「オフィスビルや商業施設、ホテルなどの建物の保守点検が主な仕事です。仕事内容は空調、電気、水道など多岐にわたる設備を管理し、点検や修理を行ういわゆる「縁の下の力持ち」となってビルの利用者が快適に過ごせるように施設を管理します。

また、テナントや業者との打ち合わせを行うこともあります。テナントがビルに対して何か要望があればビル管理者に申し出て、それを聞いたビル管理者が対応したりオーナーに伝えたりと間に入って取り持つといった業務もあります。

2.1.2. 特長

ノルマが存在しない

入っているテナントの数が減ったからといってビル管理者が営業を行うことはまずありません。ビル管理者として、建物の保守点検をしっかりと行っていればそれ以上の結果や数字に追われることはないでしょう。

シフトが決まっているので残業少なめ

勤務会社によって宿直ありの24時間勤務であったり1日の中で交代制を敷いてあったりと働き方は様々ですが、ノルマがないため残業もほとんどありません。ただし、メンテナンス業者やテナントと打ち合わせを行う場合は残業が発生することがあるようです。

ルーチンワークが多め⇒流れを覚えればスムーズに業務を進められる

仕事の形態からいって新しいアイディアや奇抜なやり方を求められるものではありません。「確実に・堅実に」ビルの保守を行うことが何よりも大切です。慣れてくれば当たり前のようにさっと業務を終わらせられるようになるでしょう。

定年を超えても働くことができる職種

仕事を検索してみると実感すると思いますが、定年を超えても働いて欲しいと求める企業が多数あります。経験値を積み、業務内容を理解している人材は重宝されます。仕事内容も力仕事や斬新な発想を求められるものではないため、長く続けるのに向いた仕事といえます。

2.2. 取得できる資格が多い

職業訓練の中で知識や経験を増やし、日々の授業内容を資格取得に大きく役立てることができます。訓練校側も「受験手続きの説明を行うし、合格できる技能レベルへの到達は十分可能」と明言しているところもあります。

特に以下のいわゆる「ビルメン資格基本4点セット」を取得することで就職を大きく有利に進められることができます。

  • 二級ボイラー技士
  • 危険物取扱者乙4
  • 第二種電気工事士
  • 第三種冷凍機械責任者or消防設備士乙4

2.3. 訓練校卒業後の就職率

ある訓練校では就職率がなんと97%超えという実績を発表しています。単純計算で30名中29名が就職を果たしているというのは驚異的な数字といえるでしょう。それだけ仕事の募集があり、技術を身につけられるということの裏付けといえるのではないでしょうか。

3.求職者支援訓練の「基礎コース」と「実践コース」


『基礎コース』と『実践コース』(カリキュラムの紹介)

求職者支援訓練には2種類のコースがあります。 ひとつが基礎コース、もうひとつが実践コースです。
このサイトを見ている人には実践コースを受けることをおすすめします。その理由と各コースの特徴をご紹介します。

3.1. 基礎コース

大半のコースがパソコンの基本的な使い方を学ぶコースになっています。 ースの名前には「初めての」「初歩」「基礎」という言葉が入っており、簡単に言うと『パソコンの使い方がわからない人向け』のコースです。

訓練内容は、パソコンの電源の入れ方やキーボード、マウスの使い方から始まり、ワープロソフト(Word)、表計算ソフト(Excel)、プレゼンテーション用ソフト(PowerPoint)、データベースソフト(Access)といったOfficeソフトやWEBページ作成ソフトを用いた基礎的な技能を身につけることを目的としています。

基礎コースを受けることで就職することができるかというと、正直難しいかもしれません。というのも基礎コースで学ぶことは、いまどきは学校の授業で習っていることが普通になっており、多くの人がすでに身につけているスキルだからです。

ですので「パソコンは学校の授業で触ったことがあるくらい」という方でも実践コースを受けてみることをおすすめします。

3.2. 実践コース

こちらは就職に向けてより使える知識や技術を身につけるためのコースです。授業内容は学科と実技が混合しているものが多く、学科で学んだことを実技で行っていくパターンとなります。

各分野ごとのカリキュラムの内容や授業の特徴、就職事情などをまとめたので、ご紹介します。

3.2.1.   IT(WEB制作・プログラマー・システムエンジニア)

Webサイト制作

ホームページを作成する言語であるHTMLやCSSなどを学び、自分でWebサイトを制作する技術や作ったサイトをインターネット上に公開する方法を学ぶことができます。また、JQueryやPHPなどを使用したプログラミングWebサイトの制作を行うカリキュラムも多く見ることができます。

プログラミング

多くの訓練校ではJava言語を中心に学び、if文やfor文といった基本的な構文を学ぶことになります。Javaを使ってプログラミングの基礎を学び、その技術を生かして簡単なアプリケーションを作成することになります。また、データベースの構築などについて学ぶことも多いようです。

アプリ開発

iOSやAndroid用のアプリ開発を行うため、Objective-CやSwift、Java言語を学ぶことになります。大抵の場合はXcodeやAndroid Studioといった開発用ソフトウェアを使うことになります。

IT分野のカリキュラム、就職事情の詳細ページ



3.2.2.   経理事務・総務・営業分野

経理事務

パソコンの基本的な操作からWordやExcelなどのソフトウェアの使い方を学びます。また、財務会計や原価計算の演習などを行い、日常業務に必要な知識を学ぶことができます。受講する科によっては経理ソフト(例えば弥生会計など)の使い方を学ぶこともできます。

簿記事務

基本的には経理事務と同じですが、名前の通り簿記についての授業もカリキュラムに入っています。簿記の資格試験に合格すれば、履歴書に書くことができることも魅力です。

経理事務・総務・営業分野のカリキュラム、就職事情の詳細ページ





3.2.3.   医療事務・介護分野

医療事務

ワープロソフトを使った文書の作成や事務マナーから始まり、医療保険制度や診療についての書類の読み方など、医療現場の事務員として知っておくべき基本的な知識を学ぶことができます。

介護

学科では介護を必要とする人の生活の理解や、なぜ介護が必要なのかについて学び、理解することに重点を置いています。実技としては、生活支援の方法や実際の現場で役に立つ技術についても学ぶことができます。

医療事務・介護分野のカリキュラム、就職事情の詳細ページ



3.2.4.   理容・美容関連分野

理容・美容関連

エステティシャン、アロマセラピスト、ネイリストを目指す人向けのコースがよく開催されています。

この分野の特徴としては、学科の勉強よりも、現場で必要な技能の習得に力を入れており、学科に比べると実技の時間が2倍〜3倍という内容になっています。

また、職業訓練の一環として企業実習を取り入れているコースがよく見られます。企業実習では、実際に経営されている仕事の現場に参加させてもらい、生の仕事を間近に体験することができます。

理容・美容関連分野のカリキュラム、就職事情の詳細ページ



4. 職業訓練を受けることができる人


職業訓練を受けることができる人

求職者支援訓練  を受けることができる人は、基本的には雇用保険を受給できない求職者とされています。

つまり雇用保険を受けられず現在は働いていないが、仕事に就くために職を探している人が求職者支援訓練に申し込むことができます。

これらの人を「特定求職者」と呼んでいます。

特定求職者とは
・ハローワークに求職の申し込みをしている人
・雇用保険の受給ができない人
・働く意思と能力がある人
・ハローワークが職業訓練などの支援を行う必要があると認めた人
と定義されています。

ちなみに失業保険の待機期間中の人や、そもそも雇用保険を納めたことのない人でも求職者支援訓練に申し込むことができます。

5. 職業訓練を受けられる年齢制限

「職業訓練に通えるのは就職する見込みの高い若者だけ」といった噂を私は耳にしたことがあります。

「30歳を過ぎると職業訓練を受けることができないんでしょう?」という書き込みをネット目にすることもあります。

本当のところはどうなのでしょうか。

実のところ、訓練内容に対して明らかに向いていない人は、訓練校で行われる試験で落とされるので、ハローワーク側としても勧めにくいそうです。
例えば今までパソコンを触った経験のない40代後半の方が、一念発起して「プログラマーになりたい!」と言っても就職できるか、難しいのは明らかですよね。(もちろん本人の努力次第なので不可能ではありませんが…。)

このように客観的に見て難しいと思われる場合には、ハローワーク側からその旨を説明するそうです。

しかし、私が通っていたIT分野のコースには30歳オーバーだけでなく、40歳を超えている方がいたので、年齢だけで絶対的に判断するわけではなさそうです。

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